2012年5月15日火曜日

編集者正論


少し前のこと・・・
出版社から発売される書籍の校正のお手伝いをしました。編集担当者の「じっくり時間をかけていいものを作りましょう」という言葉を思い出しながら初校を拝見して唖然!

誤字脱字どころか、"てにをは"おかしいまま、変な削除のせいで文章の意味が通らなくなったり、びっくりするような箇所で改行入れたり、病的なほどに読点を追加したり・・・ 筆者の原稿に磨きを掛けて精度を上げるのも編集者の大きな仕事だと思っている私は開いた口がふさがりませんでした。
これは、磨かれていない文章をレイアウトに流し込んだだけの『作業』の結果でしかありません。
気を取り直して赤ペン先生やりましたが、すぐ校正紙が真っ赤になってしまい、テキストデータに戻って修正したほうが良いと提案した私です。

「いいもの作ろう」という想いは立派だし大切ですが、一番「いいもの」って感じて欲しいのは読者にですよね。だから、「作者の意図がより読者に伝わるようにすること」も大きな編集者の勝負どころだと思うのです。
この初校を見た限り、残念ながら、その仕事がまったくされていませんでした。
編集者なんなら多くの正論を語る前に文章をしっかり読んでください。不純物やホコリを取り除いて、磨いてください。それが基本のはずなんです。

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