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2018年8月31日金曜日

心を病んだヒーローたち

 

僕は時々、心にちょっとした問題があって登校拒否や引きこもりになってる子供さんと会って話しをすることがある。
僕は心理や医学を正しく学んだわけではないし、カウンセラーでも何でもないのだが、僕の"問題のあった過去"を知っている知人が「問題のある子がいるので一度だけ話をしてくれないか?」と声をかけて来るのだ。

楽になって欲しいと言う想いは強くあるが、これ、美談ではない。

よくある… 不良少年を更生させるために元不良で今は更生してる大人と話させるあの雑多な手法と同じだ。

僕は笑顔で自分のSTORYを語るだけ。
今ここに生きてる気持ちを語るだけ。
でも、なぜか変化が見える事がある。

心に問題を抱えている子供には、周りの人の愛情が最も必要だが、どんなに強い想いがあっても、傷ついたことのない大人に傷ついた子供の気持ちを理解してやれるはずがないし、残念ながら、そんな子供を言葉で抱きしめてやることはできない。

彼ら彼女らはちょうど同じ目線の会話も強く求めている。
「それは僕も経験あるよ」っていう肩を抱くような安堵の一言。
「体験者」であり「病みを乗り越えた生き証人」の存在が「共感」を与え、それが小さな小さな光となる。

そう考えると、かつて心を病んでいた人間も世の中に不可欠な要素なのだと実感できる。

最近はドラマや映画でも「心を病んだヒーロー」が活躍している。

映画『コンサルタント』に登場した高機能自閉症の殺し屋=クリスチャン・ウルフ。ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』に登場する自閉症と統合失調症でIQ187の捜査官ドクター・スペンサー・リード。ドラマ『ハンニバル』の自閉症ゆえの「共感力」で活躍する捜査官ウィル・グレアム。ドラマ『アウトキャスト』の自閉症の除霊師カイル・バーンズ 。
冷静に見渡してみると「心を病んだキャラクター」の活躍を至る所で見かける。
スーパーヒーローではないかもしれないが、もっともっと人間的で苦しみながら目的を果たす生々しいヒーロー達だ。

心を病んでいる人が急増しているというマーケティングの結果に基づいたドラマのトレンドという味気ない言い方も間違いではないが、私は、時代が「心の病み」は「能力」であり「個性」だと気付き始めたのかなとも感じている。

僕が持っている共感力(Empathy)は自分を傷つけて苦しいだけのものではなく、病める人に少しは安らぎを提供できるものだった。

そう考えると…
この世の中に無意味なものなどひとつもない。全ての出来事に意味がある。
そんな、過去にどこかの誰かが綴った正体不明な言葉が、真実と化して僕の生き方の背を押す。

時代は病んでいる。
だから人が病むのはおかしなことじゃない。
でも、人間は、自分はどんどんと変化できる生き物だという自信をもっと強く持っていいのだ。


2017年5月23日火曜日

超クレイジーだけど力強いメッセージをくれる 映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』





超クレイジーだけど力強いメッセージをくれる・・・SFアクション映画。 全編70~80年代ポピュラー名曲の数々のメロディーと歌詞で彩られ音楽ファンをも唸らせてしまう。 オープニングでElectric Light Orchestraの『Mr.Blue sky』にあわせてベビー・グルートがCuteにステップを踏み始めた瞬間から私の心は奪われてしまった。 物語に感傷的に寄り添うFleetwood Macの『Chain』やCat Stevensの『Father & Son』に再び涙するなんて。 メッセージのコアは、最近私自身の人生でも出来事がメッセージしてくれる「絆」。 登場キャラクターそれぞれの様々な「絆」が観る者に教えてくれる。 「絆」が人をより強くより優しくする その「絆」を成り立たせるのは「家族」という概念や「血」という生物学的なつながりでは決してない。 そして、自分が一番必要としている人は、意外と傍にいて、自分がそれに気付いてないだけという真理。 そんなメッセージが天真爛漫なSFストーリーで語られる。 やはり脚本が凄い! このCRAZYは楽しい このCRAZYは心を熱くする。 このCRAZYは勇気をくれる。 予告編でご存知だと思うが小枝君=ベビー・グルートのつぶらな眼(まなこ)とその仕草には絶対ヤラれる。要注意だ!



 

傷つくことでこそ人間は進化できる 映画『スプリット 』



24重人格の男と、その男に誘拐された、幼少期から、虐待を受けてきた少女の物語。ドキドキハラハラの脱出劇や痛いサイコものにならないのがM.シャラマン監督らしさ。

傷つくことでこそ人間は進化できる
傷ついだことのない人間は眠っているのと同じ。

物語が沸騰し始める後半。意外な形で生まれる共感と感動。
難解だけど、"心の傷"をテーマに、また凄い作品を作ったもんだ。
不思議だけど見応え十分。
そして、傷つきやすい私は勇気を頂けて、ちょっと泣けてしまった。

最後にブルース・ウイリスが『アンブレイカブル 』 の役名と同じ名で一瞬出て来たり、24分割されたエンドロールという仕掛けにニヤリだ。
この意味のなさがまた意味深なんだ。

スピリチュアル体験 映画『パーソナル・ショッパー』


ストーリーは最初から思わぬ方向に展開。
霊が現れたり、ラップ現象が起きたり、エクトプラズムが出てきたりと様相はスピリチュアルホラー。
「パーソナル・ショッパー=代理お買い物人」の話しはどうなった? と首を傾げつつもグッと引き込まれる作品のオーラ。

「私は死んだ人の霊がどうかはわからないけど、何かの存在は感じる。パイプのような」という主人公のセリフ。

私自身も彼女と同様、感じたり聞いたり見たりするのに
それを「霊」と落とし込むことができない頑固な人間なので
この「バイブのような」という表現に深く共感。

私達のような音楽ライターは音楽の演奏が発する雰囲気を「バイブ」と書く事があるが…
この音楽的な表現が妙にしっくりくる。
理屈じゃないフィーリングってやつだ。

視覚的、聴覚的、空気感… すべてが私の体験に近くて、
この脚本家は間違いなくスピリチュアル体験のある人間だ。

ストーリー自体は常識的に見ると謎も多いが
個人的には超しっくりきた作品。

小粋な短編小説の肌触り 映画『カフェ・ソサエティ』


ある青年の恋と人生を1930年代ハリウッド黄金時代のきらびやかな社交界(カフェ・ソサエティ)を背景に描いたロマンティックコメディ。

人生が本当にこんなに軽快だったら… そんな言葉が口に出るほど"ド軽快"に"ド粋"に流れるストーリーとセリフの数々。
ギャングが人を撃ち殺しても、この作品の中ではなぜか軽快で爽やか。

アメリカの短編小説家… 
例えばアーウィン・ショー(「夏服を着た女たち」「ニューヨークは闇に包まれて」)やピート・ハミル(「ニューヨークスケッチブック」)の作品を味わったような後味。それは、大きく感情を揺らすことなく、心の奥底に忍び込んで人生の機微を感じさせてくれる一編を読み終わった後味だ。

ある意味、脚本と監督のウディ・アレンらし過ぎる作品。

ちょっと素敵で ちょっと感傷的で ちょっと含蓄があって そんなさり気ないエピローグが今の時代には新鮮だ。

落としどころは友情 映画『ワイルドスピード アイスブレイク』


2000年に第一作が公開された『ワイルドスピード』のシリーズ8作目。
VFX(ビジュアルエフェクト)を駆使して作り上げられた、この世にありそうでない非常識ド迫力アクションシーンの連発。

「映画ってどこまで行っちゃうんだろう?」なんて心配はご無用。
落としどころはシンプルに『友情・仲間。正義感』といった感情論。
ここにはリアルワールドでありがちな打算や計算がなくていいや!

事情があるとはいえ
互いに命の奪い合いをしておいて
一件落着後「裏切った俺を見捨てなかったお前らに感謝する」なんてセリフ 一度でいいからリアルな社会で言ってみたいゾ。

表現者である喜びを感じさせる映画『ぼくと魔法の言葉たち』


ディズニーアニメのストーリーやセリフが、自閉症の少年と家族を、そして少年と世界のコミュニケーションをつないだ。
そんなドキュメンタリー作品。

そこにある家族の愛と日々の大変さを見せられつつも
文章使いで表現者の自分が感じるのは
「表現」という名の自分たちの仕事の「責任」と「可能性」と「喜び」。
このドキュメンタリーを観たディズニーのクリエイター達は嬉しかったはずだ。

ディズニーに比べたら虫けら同然の私だが
人を幸せにする仕事がしたい。
そんな気持ちが蘇った。

2017年5月2日火曜日

相互に支える「無条件の愛」に心震える 『バーニング・オーシャン』


2010年に起きた世界最大級の海底油田爆発事故をリアルに描く。
絶え間ない大爆発
野獣の如き火柱
けたたましい悲鳴
命を懸けた脱出
そして・・・
恐怖と悲しみに壊れてしまいそうな男をいたわる
妻と小さな娘の姿。
男だから 女だから
夫だから 妻だから
父だから 母だから 娘だから
そんな立場は超越して
相互に支える「無条件の愛」に心震える。
"支配"でも"依存"でも"世間体"でもない「無条件の愛」に…

魔法が解けてもイケメンにならないで! 『美女と野獣 』


能動的なヒロイン
ミュージカルらしく歌い上げないヒロイン
ゲイキャラ登場
Disneyムービーの変化が見える新時代の 『美女と野獣 』

しかし、根底に流れ続けるのは
『人間にとって大切なのは外見でなく中身 』
そんな大切な価値観が失われた世の中への切なるメッセージ。

「そんな幸運な話しあるわけない!」なんて独り言言いながらも、最後に笑顔になれて夢を持たせてくれる映画はやはり素晴らしい。

外見の醜さより
心を見つめてくれる
そんな人と出会いたい。

魔法が解けてもイケメンになれないこの野獣は夢見続けます。

「心を洗いたい気持ち」を与えてくれた本当のお話し『ライオン 25年目のただいま』


綺麗な見せかけの言葉だけでない「本当の愛」「本当の感謝」は
国も血も時間も超える。

「オーストラリアの白人夫婦がなぜインド人孤児を二人も養子に?」という疑問に、養母が、幼少期のスピリチュアルな夢に啓蒙されたと答える。
「自分たちが子供を作ることよりも、今すでに地球上にいる貧しく不幸な子供を一人でも幸せにしたかった」
子供を産める環境だったにもかかわらず、この道を選ぶ慈愛の発想、今までの私にはなかった。

涙と共に多くを教えてくれる実話。
心が洗われる。
いや、私に「心を洗いたい気持ち」を与えてくれた本当のお話し。

攻殻機動隊知らずが映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』に酔う



「過去の記憶を自分の存在証明にするのではなく、これから何をしようとするかが自分を決める・・・」

過去の自分がどんな人間であったか
どんな肩書を持っている人間だったか
そして、
何を失ない、どんな憎しみに満ちた人間だったのか
そんなこと「今」と「未来」のためには意味を持たない。

「今」前向きであることが最重要項目。

2017年3月29日水曜日

次に控える対ゴジラ戦を匂わせた『キングコング 髑髏島の巨神』鑑賞


ハリウッド モンスタームービーの金字塔の『キングコング』のリメイク『キングコング 髑髏島の巨神』を鑑賞。
色んな形でリメイクし尽くされた作品なので興味も尽きそうなものですが
怪獣映画で子供時代を過ごした人間は・・・どうしても気になるんですね。

今回は従来の米怪獣映画にない、怪獣と怪獣が戦う・・・1970年前後の東宝の怪獣映画の路線を踏襲した作風とキングコングとその他諸々の怪獣、そして、ベトナム戦争でモンスター化してしまった人間の三つ巴対決という設定が妙に面白い。

エンドロールの後には、この後のシリーズ展開への手がかりもチラつかせながら・・・何だかゴジラの鳴き声らしきものも確認した。

ハリウッド版『ゴジラ対キングコング』 やっぱり実現するんだね。







2017年3月24日金曜日

『汚れたミルク あるセールスマンの告発』・・・汚れているのはミルクではなく・・・


 現在のところ公開されているのは日本のみ・・・という話題の社会派映画『汚れたミルク あるセールスマンの告発』を鑑賞。

あるグローバル企業がパキスタンで粉ミルクを販売したため、不衛生な水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児の死亡率が増加してしまう。

子どもたちを守るため巨大企業に立ち向かう男の闘いを描いた社会派ドラマなのだが・・・ 
中途で腰砕けする告発の有様が何とも生々しくリアルに迫ってきた。

これが現実。
これが人間。

汚れているのはミルクでなくて人間なのだ。


2017年3月16日木曜日

『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』を鑑賞




テアトル梅田にて映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』を鑑賞。

妻の死で自分の無感覚に気づいた男が、身の回りのものを破壊することで、ゼロから再生へと向かっていく姿を描いたヒューマンドラマ。

人間の心の再生のドラマは自分の人生に多くのメッセージを与えてくれる。
私のような破壊と再生を繰り返している人間には特に。

人生、何かの障害を乗り越え先に進むためには、これまでを「破壊」する必要がある。
「破壊」までいかなくても、それなりの大きな覚悟は不可欠。
そして、本当に大切な人は失ってから気づく。という悲しげな事実。

そんなこと再認識しつつ
大切なものを見失わないようにしたいと思った。







2015年4月25日土曜日

つまらない映画と笑い飛ばそうとした映画に・・・知ってる人が出演してて唖然





知人に「驚異的につまらない映画やから話しのネタにどうぞ」という意味不明なレコメンドコメント付きで、壇蜜主演の特撮お色気コメディー映画『地球防衛未亡人』のDVDを強制レンタルされた。
幼少時代には「大人になったらウルトラマンになる」と将来の抱負を語っていた私なので、「驚異的につまらない」と言われつつもタイトルに反応して意外と興味津々に見てみると… 

確かに驚く程つまらない。ユーモアやスラップスティックとさえ呼べない腹が立つくらいに稚拙な作品。我慢出来なくなって「STOP」押そうとした瞬間のことです。

画面に知ってる顔が! 
かつてデビューを支援した女性タレントが端役の端役で登場。
チープな色物映画の端役… 

出会った時の彼女の「色物じゃなくてちゃんとしたタレントになりたいんです」って熱い語りと立派な拘りを思い出して、もう疎遠になったとはいえとても残念な気持ちに。

軽はずみに「驚異的につまらない」を体験しようとしたら、知ってる人が出演してて何ともヘヴィーな気分になったというあまりにも偶然でかつ皮肉なハプニングでした。

因果的に言うと… きっと、私はこれを見て何かを感じる必要があったということなんだろうなぁ。
でも、やっぱり見たくなかったよぉ。

もう私の声は届かないと思うけど…
仕事をちゃんと選んでください。

こんな仕事は「きっかけ」になるどころか、「変な色がつく」ってことを理解してください。
一瞬で「ちゃんとした」に戻れないところに行ってしまうと覚えておいてください。







2014年11月9日日曜日

邦映画『ヒミズ』に泣く



ある人がいつも「大好きな映画」と言ってて気になってた邦映画『ヒミズ』をDビデオで観た。

古谷実原作の人気漫画を映画化した衝撃作で、ベネチア国際映画祭では、主演の二人が新人俳優賞を受賞したという話題つき。

善・悪、美・醜、常識・非常識、優・劣、変・普通、正気・狂気、幸福・不幸、陽・陰・・・ 人間生きてると、その感情はそんな相反するものの中でピンボールのように延々はじかれ続ける。

物語の中では特殊な家庭事情に起因する「父親を殺す」という出来事がきっかけで若者の日常が絶望と狂気に豹変してゆく様が描かれている。次々に雪崩式に起こる悲惨な出来事は、そんな混沌を観る者に突きつけ、主人公と一緒に狂気の闇にひたすら落下させる。

このまま破滅? 出口はある? 光はどこに? 
いやいや、そんな複雑なことではなかった。
答えはあまりにもシンプルだった。

「がんばれ自分!」

一歩目は、本気でそれが言えること。

この理不尽なジェットコースターのような混沌の中を、"立派な大人"として生きてゆくためには、世の中がどうとか、環境がどうとか、周りの他人がどうとか、仕事がどうとかでなく、『自分がどうするか』ってことだけ。
"それだけ"だけど…それが"全て"。
自己発電で「がんばれ!」と自分に言って、「生きる!」と決意宣言することが全ての根源でありはじまり。

そして

「がんばれお前!」

誰かが、上っ面でない使命感でそれを絶叫してくれること。

映画のオーラスで二人が狂ったように走りながら絶叫し続ける「がんばれ住田!」という言葉になぜか涙が止まらなくなった。



そうだそうなんだ! 頑張れ自分なんだ。
「それでも、生きて生きて生き続けろ自分」なんだ!

2014年9月18日木曜日

ディズニー映画『ウォルトディズニーの約束』が教えてくれる我が使命・・・ 心ある金融マンを救済せよ!




私たちは企業利益だけを優先する金融会社や、そこで働く多くの金融マンの商品の売り方を問題視しています。

顧客の利益でなく、自身の成績や企業の利益のために・・・
顧客の不安を煽って商品を売ったり、本来の目的とは違うメリットを並べ立てて顧客を揺動して販売したり、手数料欲しさに本来長期で保有すれば顧客にメリットがあるものを買換えさせたり、あげくのはてに商品の内容を詳しく知らずに売りつけたり・・・

金融商品の善し悪しでなく、実はそこに関わる人間が、多くの不幸、不満、落胆、傷心、憎悪を生み出しているように見える昨今です。


閑話休題


さて… 皆さんは、記録的な興行収入を叩きだしたディズニー映画『アナと雪の女王』をご覧になりましたか?
素晴らしい映像と、素晴らしい音楽が織りなす老若男女が楽しめる素敵な作品でしたね。
この『アナと雪の女王』の大騒ぎの陰に隠れてほとんど話題にならなかったディズニー映画があったのをご存知ですか?


映画のタイトルは『ウォルトディズニーの約束』


1964年に公開されたディズニー映画の金字塔『メリー・ポピンズ』が完成するまでのドラマを描いた自伝的ヒューマンストーリー。
自分が作ったキャラクター「メリーポピンズ」を汚されたくない原作者P.L.トラヴァース(エマ・トンプソン)と、新しいキャラクターで映画界に旋風を巻き起こしたい、御大ウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)、音楽家のシャーマン兄弟、脚本家のドン・ダグラディとの葛藤に満ちた、所謂「裏方話し」。

このせめぎ合いの背景にあるのは「いくらで?」とかいった下世話な話でありません。
映画が始まってすぐに、そこに横たわる原作者の心の問題、メリーポピンズへの想い入れが明らかになって行きます。

原作者のトラヴァースは幼少期に、銀行に金融マンとして勤め、儲けのために人の心を失わなければならないことに苦悩し、酒におぼれて死んでいった父(コリン・ファレル)の姿を目の当たりにしていました。
彼女は「夢をみるのをやめちゃダメだ!」と笑顔で語りかける父親が大好きでした。


映画『メリー・ポピンズ』はご覧になったことがありますか?
ジュリー・アンドリュース演じるメリー・ポピンズが家政婦にやって来るバンクス家のお父さんは銀行マンでしたよね。
苦悩しつつも銀行の業務にまい進する厳格で堅物のバンクス氏。
そして子供との関係も威圧的で、愛情は深いのに決して上手く行ってるとは言えない状態。


『ウォルト・ディズニーの約束』を見ていると、実は『メリーポピンズ』の主役がメリーポピンズや可愛い子供たちや不思議な魔法じゃなかったことが徐々に明らかになって来ます。


『ウォルト・ディズニーの約束』の原題・・・ 実は『Saving Mr.Banks』(バンクス氏の救済)なんです。


トラヴァースはイマジネーションの中で「汚い金融の世界」と「愛と夢」の狭間で、苦悩のうちに死んでいった父親を助けたかったのです。

物語は佳境・・・
ウォルト・ディズニー達は、彼女と激しく衝突する中で、その背景を感じ取り共感し、
「バンクス氏を助ける」「作者の悲しい記憶を終わらせる」作品作りへと心を一つにして行きます・・・

余談になってしまいますが、
夢と魔法だけででできている映画『アナと雪の女王』
夢と魔法だけでは作れない映画『ウォルト・ディズニーの約束』
この二本の映画を同時期に世に出すディズニーの懐の深さに感服させられますね。

ちょっとストーリーを語りすぎましたか? お許しくださいね。

日本の金融業界にも、「"顧客のため"という愛に溢れた気高い心」と、「企業利益という非情なテーマ」の狭間で苦しんでいる金融マンがたくさんいるんですよ。

この映画に登場するバンクス氏のような人が本当にたくさんいるのです。

私たちは顧客の利益のためにと、毎日闘っています。
人々の投資に対する誤解を解いて、正しい情報や方法を提供する。
勇気をもって歩を進める人にはそっと寄り添う。
でも、バンクス氏のような金融マンを救済することも忘れてはいけない。

一冊目の書籍 『過去のお金の常識を疑え!』 はそんな金融マンへの熱いメッセージ、もしくは応援歌でもありました。

私たちは、金融マンとしてのプライドが微塵もない、所謂「売り子」無勢には全く興味はありません。
心ある金融マンを想い、いつか彼らと心をひとつにして「日本の金融を変える」という目標を達成したいと願っています。


『貯蓄から投資へ』


そんな世の中を実現するために
私たちも、日々前進する姿を世の中に見せ続けて、まだ顔さえも知らない日本中のバンクス氏に勇気を届け続けなくてはならない。
そして 彼らの「想い」を守り救い続けることも忘れてはならないのです。


それも私たちに課せられた大切な大切な使命です。

2013年10月28日月曜日

米ドラマ『ウォーキング・デッド』シーズン4 待望の放送スタート!



アメリカで人気大爆発中のドラマ『ウォーキング・デッド』シーズン4の放送が本日よりスタートするとのお知らせがありました。
“ウォーカー”と呼ばれるゾンビがはびこる黙示録的なアメリカを舞台に、保安官リック率いる生存者たちが、安住の地を求めて恐怖に立ち向かう姿を描くこのドラマ。ゾンビものって悪趣味過ぎて感性レベルで拒否感特盛りなんですが… 

おどろおどろしいバックグラウンドの上で描かれる人間ドラマがあまりにも魅力的で、偶然見てしまってからリピーターと化してしまった私です。

ゾンビという存在を媒介にして、増幅し爆発し伝染し溢れ出して来る、人間の憎悪・怒り・愛・情。

『この世で一番恐くて底なしに興味深いのは人間』 

そんなことを何度も再確認出来るドラマティックなストーリーから目が離せません。






2013年9月25日水曜日

映画『歓びを歌にのせて』に学ぶ「立ち向かうこと」「あきらめないこと」「決断すること」「楽しむこと」…そして「死ぬこと」





ここ1年ほど、色々なことがあったせいなのか…

数年前にDVDで観た音楽映画のことが頭に甦って来ました。
映画のタイトルは『歓びを歌にのせて』。
2004年のスウェーデン映画です。

人生に疲れきって、心臓病を患った天才指揮者と田舎町の合唱団の交流を通して、人生とは何か…そして、その人生で音楽は人にどんなきっかけを与え、どんな奇跡を起こすのか? そんな"糧としての音楽"を語る物語。

この物語に登場する人々は、主人公自身だけでなく村人達もそれぞれがそれぞれの問題を抱えて日々生活しています。
嫉妬、暴力、いじめ…村の穏やかな風景と裏腹に生々しい現実をかかえています。
音楽はそこで多くの感情を優しく、厳しく包み込んで、働きかけます。

「立ち向かうこと」「あきらめないこと」「決断すること」…そして「楽しむこと」。
ゆるやかに村人達の人生に光が戻って来ます。
世を捨てた天才指揮者は、村人達に光を与えている自分に自信を取り戻し、
あきらめたはずの音楽と共に生きる幸せを実感しはじめます。

でも…
エンディングはハリウッド映画のように、ぜんぜん甘くありません。
きっと「そんな~」という涙がこぼれます…
でも、そこには深い悲しみではなく、小さいけど確かな歓びがあるのはなぜでしょう?
物語が、「人間は、いかに生きるのか、いかに死ぬべきなのか」。そんなメッセージをきっちりと語ってくれたから…

 映画の中で、この指揮者と、彼に恋をした村の娘の素敵なセリフです


「どうして好きって分かる?」 
「顔を見ると幸せ」 
「それから?」 
「いつも想ってる」 
「それから?」 
「一緒にいると幸せを感じる」 


理屈ではない… 人生と向き合い、意味を求める時
一番大切なのは大げさな夢なんかでなく、ごくごくシンプルな思考なのかもしれないのです。



ストーリーの大切なポイントで村人たちに歌われる、感動的なバラッド「ガブリエラの歌」。
エンドロールで再び流れるときには、感極まります。歌詞も素晴らしいです。



2012年7月4日水曜日

映画『ものすごくうるさくて ありえないほど近い』は人間嫌いの特効薬

映画『ものすごくうるさくて ありえないほど近い』をDVDで観ました。
米の9.11のテロでお父さんを亡くした少年のお話ですが、映画のラスト近くに少年とお母さんがお父さんのことを思い出して語るシーンがあります。
少年はパパがママをいかに愛していたかを伝えるためにこんなセリフを言います。

「言ってたよパパが『ママをホントに愛してる、だっていい娘(こ)なんだよ』って」

それを聞いたママは声もなく号泣。
本当にいいセリフです。

このセリフには色んな愛が詰まっています。
素直に伝える愛、
子供を子供扱いせずに向き合う愛
お父さんの愛から学んだ愛

物語に登場する全ての人が結果的に"人の痛みが分かるいい人"だったという最高の癒しを持った素晴らしい作品なのですが、
私はこのセリフが特別響いてしまいました。
そして、ママと一緒に泣けてしまいました。

このシーンを観るだけでも意味のある素敵な映画。
酷い出来事があって人間嫌いになりそうな時、きっと特効薬になってくれます。


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