ここ1年ほど、色々なことがあったせいなのか…
数年前にDVDで観た音楽映画のことが頭に甦って来ました。
映画のタイトルは『歓びを歌にのせて』。
2004年のスウェーデン映画です。
人生に疲れきって、心臓病を患った天才指揮者と田舎町の合唱団の交流を通して、人生とは何か…そして、その人生で音楽は人にどんなきっかけを与え、どんな奇跡を起こすのか? そんな"糧としての音楽"を語る物語。
この物語に登場する人々は、主人公自身だけでなく村人達もそれぞれがそれぞれの問題を抱えて日々生活しています。
嫉妬、暴力、いじめ…村の穏やかな風景と裏腹に生々しい現実をかかえています。
音楽はそこで多くの感情を優しく、厳しく包み込んで、働きかけます。
「立ち向かうこと」「あきらめないこと」「決断すること」…そして「楽しむこと」。
ゆるやかに村人達の人生に光が戻って来ます。
世を捨てた天才指揮者は、村人達に光を与えている自分に自信を取り戻し、
あきらめたはずの音楽と共に生きる幸せを実感しはじめます。
でも…
エンディングはハリウッド映画のように、ぜんぜん甘くありません。
きっと「そんな~」という涙がこぼれます…
でも、そこには深い悲しみではなく、小さいけど確かな歓びがあるのはなぜでしょう?
物語が、「人間は、いかに生きるのか、いかに死ぬべきなのか」。そんなメッセージをきっちりと語ってくれたから…
映画の中で、この指揮者と、彼に恋をした村の娘の素敵なセリフです
「どうして好きって分かる?」
「顔を見ると幸せ」
「それから?」
「いつも想ってる」
「それから?」
「一緒にいると幸せを感じる」
理屈ではない… 人生と向き合い、意味を求める時
一番大切なのは大げさな夢なんかでなく、ごくごくシンプルな思考なのかもしれないのです。
ストーリーの大切なポイントで村人たちに歌われる、感動的なバラッド「ガブリエラの歌」。エンドロールで再び流れるときには、感極まります。歌詞も素晴らしいです。

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